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  学生にすすめるこの一冊  (法文学部)

  図書のは,図書館本館,(医・農分館を含む)開架図書で,配置場所を示す請求記号を明記しています。

赤間 道夫 先生(政策情報科学) 上山 友一 先生(政策情報科学) 松本 朗 先生 (政策情報科学)
南 充彦 先生(政策情報科学) 福井 秀樹 先生 (政策情報科学)
鈴木 教司 先生(ガバメント) 光信 一宏 先生(ガバメント)
岡本 直之 先生(マネジメント) 栗原 宏文 先生(マネジメント)
高橋 基泰 先生(比較経済システム) 秋谷 裕幸 先生(比較経済システム)
笹沼 朋子 先生(応用法政策) 宮崎 幹朗 先生(応用法政策)
坂根 照文 先生(人間科学) 塚本 秀樹 先生(人間科学) 呉羽 正昭 先生(人間科学)
大西 貢 先生(日本アジア文化) 菅谷 成子 先生 (日本アジア文化) 西 耕生 先生(日本アジア文化)
吉田 正広 先生(欧米文化) 井上 彰 先生(欧米文化) 寺尾 勝行 先生(欧米文化)
森 孝明 先生(欧米文化) 立川 信子 先生(欧米文化)


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  赤間  道夫  先生 (政策情報科学)

 *1) 赤い楯:ロスチャイルドの謎
      (I, II, III, IV) (集英社文庫)
       広瀬 隆著   集英社   1996
      請求記号:335.58/HI

  この本を読まずしては現代が理解できない。この本を読めば現代が理解できる。
そういっていいほど現代社会を動かす闇の一族ロスチャイルド家を徹底して解剖
した書物である。全85点にものぼる「系図」は圧巻といえる。
  僕の講義は出なくていいからこの本を読んで欲しい。なぜならノンフィクション
であることによって,調査・ 研究に相通ずる飽くなき探求心の何たるかを教えて
くれる本でもあるからだ。

  *2) 新・コンピュータと教育 (岩波新書)
       佐伯 胖著    岩波書店   1997
       請求番号  080/I1

  *3) 社会科学における人間    (岩波新書)
      大塚久雄著.   岩波書店   1977
      請求番号  080/I1(農・開架にもあり)

  *4) 読書と社会科学        (岩波新書)
      内田義彦著  岩波書店   1985                                            


上山 友一 先生 (政策情報科学) *1) 弁護始末記 : 法廷からの臨床報告 1 - 27 弁護実務研究会 大蔵省印刷局 1980 請求記号:327.2/BE 弁護士さんが書かれた紛争体験記であるので,法律自体に関心がない人でも 紛争に対処していく中での法律運用のおもしろさ,また,難しさがとてもよく わかるエッセイのシリーズである。もちろん,法律を勉強する目的で読むこと もできるが,その場合でも,法律技術について読むだけではなく,そこからこ ぼれ落ちてしまうかもしれない人生の諸々の側面を意識して読んでもらいたいと思う。 *2) 心を求めて:一人の人間としての裁判官 関根牧彦著 騒人社 1996 請求記号:914.6/SE *3) 裁判官の戦後史 倉田卓次著 筑摩書房 1987 裁判官の戦後史 (続) 倉田卓次著 悠々社 1993 請求記号:320.4/KU/2 4)わたしは軍国少年だった 川崎 洋著 新潮社 1992 *5)幻影解「大東亜戦争」:戦争に向き合わされた詩人たち 今村冬三著 葦書房 1989 請求記号:911.52/IM
松本 朗先生 (政策情報科学) *1)私の金融論    板倉譲治著 慶応通信  1995    請求記号:338.21/IT 本書は、元三井銀行(現さくら銀行)の社長(都市銀行のなかで三井銀行だけは トップを「頭取」と呼ばず、社長と呼んでいた)であった筆者がまとめた銀行マン の立場から考察した金融理論の書である。 副題に「資金需給と金利水準変動のメカニズムに関する誤解と私見」とあるように、 通説的(学者の間で流布している)マネー供給の考え方に対する痛切な批判の書で ある。近年、バブル不況の深刻化とマネーサプライの急激な減少と言う現実を目の 当たりにして「マネー・サプライ論争」が巻き起こっているが、対象としている 時代背景はやや古いものの本書はこの論争を理解する上でも役に立つ。 経済学の専門的知識が無くても読み通せる良書であり、是非一読を薦めたい。 *2)現代の金融構造 横山昭雄著 日本経済新聞社 1977    請求記号:338/Y6/=5 *3)「金融恐慌」とビッグバン 大槻久志著 新日本出版社 1998 請求記号:338.2/OO 金融というとその理論を学習するのも、制度を学習するのも面倒くさくなる程複雑 で難しいものである。それでも今日もっとも世間の注目を浴び、大問題になっている のがこの金融問題である。本書は今日問題になっている金融問題を取り上げ、非常に わかりやすくそれを解きほぐしてくれる良書である。 また、金融の基礎理論も分かりやすく解説されており、金融論の入門書として最適 である。金融論の入門書としてそして現代の問題を考える参考書として是非一読を薦 めたい。
南 充彦先生 (政策情報科学) *1)外交(上・下)     ヘンリー・A・キッシンジャー著 ; 岡崎久彦監訳  日本経済新聞社 1996 請求記号:519.53/KI/1,2  ヴェルサイユ体制はなぜ失敗したか。その原因は通説に反して,ドイツを地政学的 に強化したことにある,等々,随所に鋭い知見がちりばめられた,まさに「目から鱗 が落ちる」歴史書である。 *2)ソヴィエトの悲劇(上・下) : ロシアにおける社会主義の歴史1917~1991     マーティン・メイリア著 白須英子訳 草思社  1997 請求記号:238.07/MA/1,2 社会主義とは何だったのか,スターリンがいなかったら社会主義はもっとまともな ものになっていたのだろうか, こうした20世紀最大の謎に答える本格的な歴史書である。 *3)「江戸は夢か」 (ちくまライブラリー 79) 水谷三公著   筑摩書房  1992 請求記号:210.5/MI 江戸時代は「士農工商」の秩序原理の下に統治されていた,というのは学校で教えら れた常識である。 しかし,江戸時代を扱った最近の読み物やドラマを見ても分かるように,現実は必ず しもこの図式通りではなかった。 該博な学識と教養に裏打ちされていながら,軽妙かつ洒落に江戸時代を活写した読物と なっている。 *4) 海峡は越えられるか : 日韓歴史論争     桜井よしこ・金両基著     中央公論社  1997 請求記号:210.6/SA 明治以降の日本の正確な歴史を知るための格好の入門書。 *5) プラハの春     春江一也著  集英社 1997 請求記号:913.6/HA  非人間的な共産主義体制に対して戦うチェコの美貌の女性と,彼女を助けようとして 奔走する日本人外交官との,愛と友情の物語である。現役外交官が自らの経験を下に 執筆した歴史小説である。
福井 秀樹 先生 (政策情報科学) 1) 不遇なる一天才の手記 (岩波文庫)     ヴォーヴナルグ 関根秀雄訳     岩波書店 1955  ヴォーヴナルクの著書を貫く精神を一言であらわすとしたら,「明朗なペシミズム」 とでも言えましょうか。モンテーニュやラ・ロシェフコーほど有名ではありませんが, 私にとって彼のこの著は座右の銘とすべき格言に満ちた一冊です。 「新規な事柄を言い出すことはたやすく,既に言われた事柄を調整することはむつか しい。」「学問の発達した諸世紀がしからざる諸世紀にまさるのは,せいぜいそれらの 世紀の誤謬の方が幾分役に立っているからにすぎない。」  もっとも,耳の痛い格言もあります。  「消化不良でしかも意地のきたない人,これこそ大部分の学者たちの,精神の性格を 恐らく最も如実に示せる姿であろう。」「世に良き教訓(おしえ)は沢山あるが,良き 師は殆どない。」 *2) 退屈読本 (冨山房百科文庫 ; 18,21)   佐藤春夫著     冨山房 1978 請求記号:上 914.6/SA/1          下 914.6/SA/2 日本語が素晴らしい。それから,勝手気儘の限りを尽くした構成も(?) *3) 吉田秀和全集     白水社 請求記号:760.8/Y1/  吉田は音楽のもたらす幸福感を描き出す点において全く比類のない評論家。 彼の文章も佐藤のそれに劣らず,見事です。
鈴木 教司 先生 (ガバメント) *1) 魔女狩り (岩波新書) 森島恒雄著 岩波書店 1970 請求番号 080/I1 魔女狩りは,一六OO年を中心に吹き荒れた,実に血なまぐさい狂気であった。 十三世紀頃のフランスに発して,全ヨーロッパに広まり,十七世紀にはアメリカ 大陸にも波及した。その内容と影響は宗教学,キリスト教学にとどまらず, 歴史学・法律学・社会心理学その他に及ぶ。 専門の枠にとらわれない一,二回生に強く一読を勧めたい。 *2) 肉食の思想 (中公新書) 鯖田豊之著 中央公論社 1966 図書請求番号 080/T1 3) 無罪 (新潮文庫) 大岡昇平著 新潮社 1982 *4) 仮釈放 (新潮文庫) 吉村 昭著 新潮社 1991 請求記号:913.6/YO *5) 法医学教室の午後 正・続 (朝日文庫) 西丸与一著 朝日新聞社 1985-1987 請求記号:916/NI/1-2
光信 一宏 先生 (ガバメント) *1) 人権(一語の辞典)  樋口陽一著    三省堂  1996    請求記号:080.2/I1/147  本書は,憲法学界の第一人者で問題提起の鋭さに定評がある樋口教授のエッセンスを 要約したものであり,文章は比較的平易だが内容きわめて高度である。 学説の現在の到達点を知りたい人,および人権問題に関心を持つ人に一読をお薦めする。 *2) 時代を読む -「民族」「人権」再考     加藤周一, 樋口陽一著    小学館  1997 請求記号:304/KA *3) 抵抗への招待   鵜飼哲 著   みすず書房 1997  請求記号:914.6/UK 頭に戻る
岡本 直之 先生(マネジメント) *1) 日本型システムの深層-迷走する改革論- 宮本光晴著 東洋経済新報社 1997 請求記号:332.107/MI 経済学者の名前は出てくるものの、経済学の知識を特に要さない本です。 内容を批判的に見るか、肯定的に見るか は、読み進みながら自分自身で考えましょう。 色々と考えさせられる本です。
栗原 宏文 先生(マネジメント) *1) コネクションズ:電子ネットワークで変わる社会 Lee Sproull , Sara Kiesler著 加藤丈夫訳 アスキー出版局 1993 請求番号:007.3/SP *2) コミュニケーションの科学:マルチメディア社会の基礎理論 E.M.ロジャーズ著 安田寿明訳 共立出版 1992 請求番号:007.1/RO
高橋 基泰 先生(比較経済システム) *1) クロニック戦国全史 池山裕子[ほか]編 講談社 1994 請求記号:210.47/KU (参考図書) *2) 日本全史: ジャパン・クロニック 宇野俊一[ほか]編 講談社 1991 請求番号:210.03/NI (参考図書) *3) クロニック世界全史 池山裕子[ほか]編 講談社 1994 請求番号:203.2/KU (参考図書) *4) ヨ-ロッパ歴史地図 :タイムズ・アトラス M.アーモンド[ほか]編 原書房 1995 請求番号:230.03/ (参考図書)
秋谷 裕幸 先生(比較経済システム) *1) ルーシー :謎の女性と人類の進化 (自然誌選書) ドナルド・C・ジョハンソン マイトランド・A・エディ著 渡辺 毅 訳 どうぶつ社 1986 請求記号:469.2/JO
笹沼 朋子 先生 (応用法政策) *1) 性の法律学    角田由紀子著    有斐閣  1992    請求記号:367.2/TU 日本にフェミニズム法学というものが存在し得るとしたら,こうしたものになる だろうという見本を最初に提示したのが本書である。具体的な裁判例を参照しながら, 現存する法体系を根底から批判する本書は,フェミニストではなくても,いかに法を 疑いつつ利用することが重要か深く反省を促すものである。 *2) 闇の中の女性の身体 : 性的自己決定権を考える       若尾典子著 学陽書房 1997     請求記号:368.4/WA *3) ポルノグラフィ : 「平等権」と「表現の自由」の間で     C・A・マッキノン著  柿木和代訳   明石書店  1995 請求記号:367.9/MA *4) 性の植民地 : 女の性は奪われている     キャスリン・バリ著 田中和子訳     時事通信社  1984    請求記号:368.4/BA *5) 試験管の中の女       リタ・アルディッティ他編 ヤンソン由実子訳     共同通信社 1986     請求記号:495.5/SI *6) 山川菊栄評論集 (岩波文庫)     [山川菊栄著]     鈴木裕子編. 岩波書店  1990
宮崎 幹朗 先生 (応用法政策) 1)スポーツを「読む」    重松 清著  集英社,2004 (集英社新書)  重松清『スポーツを「読む」』(集英社新書)という本があります。重松清は 『エイジ』や『ビタミンF』などを書いている小説家ですが,この本はスポーツ・ ノンフィクション作品を批評するものです。  この本はさまざまなノンフィクション作品を取り上げながら,「スポーツを語り, 人間を描く」という行為について論じています。この中には,私が忘れることの できないいくつかの本も取り上げられています。「江夏の21球」を含む山際淳司 『スローカーブをもう一球』(角川文庫)や,沢木耕太郎『敗れざる者たち』 (文春文庫),長島茂雄と天覧試合の時代を描いた佐瀬稔『天皇と長島茂雄』 (祥伝社,旧題『天皇と背番号3』)など,ただ単にスポーツの勝敗だけを振り 返るのではなく,その人が生きてきた時代を踏まえながら,スポーツや人間を語る 作品が取り上げられています。こういう形で時代や人間を語ることができるのだと いうことを皆さんに知ってほしいと思います。  この本だけではなく,この中に取り上げられているさまざまな本をぜひ手にとって みてください。中には,開高健『オーパ!』(集英社文庫)や最相葉月『東京大学応 援部物語』(集英社)などちょっと変わった作品も含まれています。草野進『世紀末 のプロ野球』(角川文庫)も野球の好きな方にはぜひ読んでほしいですね。
坂根 照文 先生(人間科学) 1) どくとるマンボウ青春記 (中公文庫) 北 杜夫著  中央公論社 1990  団塊の世代である小生は,旧制高等学校の弊衣破帽を知らない。 弊衣破帽が当時の高校生の鼻持ちならぬエリート意識の表われであり,時代錯誤 そのものであるのも充分承知している。 しかし,今の大学1,2回生と同年代の彼等が何を考えていたか,それを知るの は無駄ではない。  岩波書店にPR誌「図書」がある。1998年5月号に「北杜夫のいた松本」 という随想が掲載されている。これも併せて読まれたい。
塚本 秀樹 先生(人間科学) *1) 学問の発見 : 創造こそ最高の数学人生 〈改訂版〉 広中平祐著. 佼成出版社 1992 請求記号:289.1/HI  本書は、数学界のノーベル賞と言われるフィールズ賞の受賞者で、現在、 山口大学の学長である広中平祐氏が、学問とはどういうものか、ということや、 学問をする楽しさや喜びについて、自身のこれまでの人生を振り返りながら、 論じたものである。 知識を詰め込むことが勉強と思い込み、学問についてよくわかっていない学生 に味わって読んでもらいたい一冊である。
呉羽 正昭 先生(人間科学) *1) ハプスブルク帝国を旅する (講談社現代新書 ; 1361)    加賀美雅弘著  講談社 1997 請求記号:293.46/KA  現在,ハプスブルク帝国が注目されている。本書は,帝国の領土の大部分を 占めた中央ヨーロッパについて知りたいと思う時に,最初から読むべき一冊であろう。 内容は,帝国内の地域的特徴を景観という視点から明らかにしようとするものである。 豊富な写真が読者の理解を深めてくれる。ハプスブルク帝国時代に書かれた旅行案内書 の文章も多く引用されているだけでなく,歴史的要素や民族・宗教などの文化的要素に ついての説明も多い。本書には,高校までの教科「地理」とは異なる学問としての 「地理学」のおもしろさが凝縮されており,地理学入門書としても適している。 またハンガリー,チェコ,オーストリアへの旅行を計画している学生諸君には,事前の 一読,さらに現地への携帯をおすすめしたい。 *2) 中欧 : ポーランド・チェコ・スロヴァキア・ハンガリー    (読んで旅する世界の歴史と文化)     沼野充義監修     新潮社 1996  請求記号:293.4/TY  *3) ドナウの旅人  上・下 (新潮文庫)     宮本輝著  新潮社  1988 請求記号:913.6/MI/1、913.6/MI/2
大西 貢 先生 (日本アジア文化) *1) 伊藤 整 全集 全24巻 新潮社 請求番号 918.68/IT *2) 平野 謙 全集 全13巻 新潮社 請求番号 918.68/IT (書庫) *3) 日本文壇史 (講談社文芸文庫) 伊藤 整著 全18巻 講談社 (現在刊行中) 請求番号 910.26/IT 文学に対するものの考え方,人間のものの見方を自分でくみとってもらいたい。
菅谷 成子 先生(日本アジア文化) 1) 朝貢システムと近代アジア     浜下武志著  岩波書店 1997  本書は,国家を中心とした世界の在り方,あるいは,国家そのものの意味が問われ ている現代において,日本,アジアを問わず,世界の歴史に興味ある人,現代の国際 秩序・地域秩序の在り方,国際関係論等に興味ある人にも等しく興味深いものです。 それは,従来,ヨーロッパの衝撃によって,アジアの「近代化」がなされたとする見方 にたいして,すなわち,それは,それまで,蓄積されてきたアジアの地域秩序の断絶を 前提するものでしたが,新たにアジアにおける地域秩序の連続性という観点から, アジアの「近代」を捉えるという視点をわれわれに与えてくれるからです。 それを通じて,ヨーロッパから見たアジアという視点に陥りがちな日本人自身の歩んで きた過程をも客観的に見直す契機が提供されます。 *2) 異文化受容のパラドックス (朝日選書)    小坂井敏晶著 朝日新聞社 1996 請求記号:361.5/KO *3) 民族で読む中国 (朝日選書)     可児弘明 [ほか] 編著 朝日新聞社 1998 請求記号:316.822/MI *4) 東南アジアを知る : 私の方法 (岩波新書)     鶴見良行著 岩波書店 1995 *5) 想像の共同体 : ナショナリズムの起源と流行  増補       ベネディクト・アンダーソン 白石さや, 白石隆訳     NTT出版  1997 請求記号:311.3/AN *6) 逆光のオリエンタリズム     青木保著  岩波書店 1998 請求記号:3022/AO
西 耕生 先生(日本アジア文化) 1) 多田智満子歌集『遊星の人』     多田智満子著 ; 高橋睦郎編輯  邑心文庫,2005  おととし1月23日に永眠された著者には,「血のつながらない,文芸詩歌上の弟」 高橋睦郎氏による編緝をへて三周忌に刊行されたこの歌集に先立ち,告別の弔問者に 配られた遺句集,著者自らの命名になる『風のかたみに』(私家版)を附録として一 周忌に公刊された遺詩集『封を切ると』(書肆山田,2004年1月23日発行)も ある。私事に渉るけれど恩師への追悼文集さえ十分に綴れなかった紹介子は,故人に 対する高橋氏の敬愛の深さに愧じ入るしかない。ただ,遺された作品に接するたび, 知らず識らず考えをめぐらせている自分に気づかされる。 砂は砂につづく/水は水につづく/ 時は時に/永遠は永遠に (『長い川のある國』書肆山田,2000年 8月31日初版第一刷) 草の背を乘り繼ぐ風の行方かな (『風のかたみに』) 大鳴門みどりの潮に揉まれたる 若きわかめの莖の齒ごたへ みどり濃きこの遊星に生まれきて   などひたすらに遊ばざらめや 僧院は高き圍ひをめぐらして    「薔薇の名前は薔薇に問ふべし」 (以上『遊星の人』所収)  ナイル川を主題とする生前の詩集のプロローグ。遺句集の掉尾をかざる季語の無い句。 遺歌集に収めるあれこれ。普段なにげなく使っているのと同じ言葉が,熟慮して選びとら れた結実として築きあげる世界。日常のそれと地続きである言葉が発揮する力の,大きさ や広さや深さ。文学の意義は,言葉の力が余すところなく牽き出された具体のさまざまに 通じえて触発されるところにあり,虚構とは,現実に反する概念でなくたんなる絵空事で はないのだ,と思いめぐらすのである。  文学の愉しみが作品を形づくる言葉とともに在ること,すなわち「読む」という主体的 営為においての外には無いことを,この夏,保坂和志『小説の自由』(新潮社,2005 年6月30日発行)に接することで痛感したにもかかわらず,多田智満子氏について余計 なことを記してしまったのかもしれない。伝記的事実はひとまず措いて,この作家の言葉 に直接することを,なにより切望するものである。        [平成十七年小雪]
吉田 正広 先生(欧米文化) *1) マックス・ヴェーバー入門 (岩波新書)    山之内靖著 岩波書店  1997    請求記号:080/IW/R503   これまでマックス・ヴェーバーと言えば、西欧近代社会を肯定的に捉える近代主義者 として一般に理解されてきたが、実はヴェーバーは、近代社会の持つ様々な問題性を、 キリスト教、特にプロテスタンティズムの持つ根本的な問題性にまでさかのぼって暴露 したというのが本書の基本的な主張である。 「ヴェーバーのニーチェ的理解」を提示する本書は読みごたえがあり、また、 ヴェーバーの歴史観の変遷を追った部分も興味ある。特に、ヴェーバーによる 古代エジプト社会の研究が、現代社会における支配や管理の問題を批判的立場 から考察することであったという著者の主張は、学問とは何かを考える上で参考になる。 2) フランス革命 : 歴史における劇薬 (岩波ジュニア新書)     遅塚忠躬著  岩波書店  1997
井上 彰 先生(欧米文化) *1) あなたに似た人(ハヤカワ・ミステリ文庫) ロアルド・ダール著 田村隆一訳 早川書房  1976 請求記号:E933/DA  机に向かって本腰を入れて読むというよりは,ふと何かを読んでみたいなと思った時 にお薦めの本が,ダールの短編集『あなたに似た人』です。 あなたに似た人があなたの身近な日常のとある1場面に遭遇するところから話が始ま り,やがてその背後に潜む不気味さや恐怖が徐々に出てきて,そして最後の最後で・・・。 最初の1話を読み終えた頃には,ダールの世界から抜け出せなくなること請け合いです。 ちなみにダールの英語は標準的で読みやすいので,ぜひ原書で読むことをお薦めします。 ここで紹介した『あなたに似た人』の原書Some like You の他にも,Kiss Kiss や Table of the Unexpected 等があり,どれもペンギンブックスから出ており,松山でも簡単に手に入ります。
寺尾 勝行 先生(欧米文化) *1)定本柳田国男集    柳田国男著  筑摩書房 1968-1971    請求記号:380.8/Y1 大学という精神的、時間的に余裕のある時期にこそ、情報を得るために読み捨てる本 ではなく、何度でも読み返しさまざまなことを学び取ることができる古典と取り組んでみるとよい。 そのためにも「専門外」ではあるが、スケールの大きい著作に数多く触れることを薦める。 柳田の著作はどれも、ごくふつうの日本人がどれだけ深い知恵を持ちえたか、またどれほど自然を愛し、 生きることを大事なことと考えていたか--いわば日本人の可能性をよく教えてくれる。 私達が(ひょっとすると永遠に?)忘れてしまったものを思い出すために、一読を勧めたい。 学問的にも体系確立の情熱が熱いほど感じられ、今現在でも刺激的なアイディアに満ちている。
森 孝明 先生(欧米文化) *1) ぼくはこんな本を読んできた : 立花式読書論、読書術、書斎論 立花隆著    文藝春秋 1995 請求記号:019/TA (本,医・開架)  「立花式読書論、読書術、書斎論」と副題のついたこの本は,文字通り立花隆と いう知的好奇心のかたまりのような評論家の読書歴と読書の方法を述べたものである。 彼の取材や著作活動の分野の広さとそのための読書量のすごさは驚嘆するばかりで, この本はとても読書の参考になりそうにない。にもかかわらずというかあるいはだから というべきか,痛快といえるほど面白い。それは読者の知的好奇心を大いに刺激してく れるからである。 *2) 青春漂流 (講談社文庫) 立花隆著  講談社  1988     請求記号:916/TA *3) 「知」のソフトウェア (講談社現代新書)     立花隆著  講談社 1984     請求記号:002.7/TA
立川 信子 先生先生(欧米文化) *1) バタイユ 酒井 健著 現代思潮社 1996 請求記号:950.28/SA バタイユは,文庫に入っていないので一般には入手しにくいし,又,幾分衝撃的で とっつきにくい作家ですが,その作家,その文学にある人がどうして出会い,何故と りつかれたかがわかっておもしろいバタイユの入門書です。 *2) 巴里の憂鬱 (新潮文庫) ボードレール著 三好達治訳 新潮社 1965 請求記号:951/BA 3) サルトルの晩年 (中公新書) 西永良成著. 中央公論社 1988
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