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  学生にすすめるこの一冊   (理学部)

  図書の*は,図書館本館,(医・農分館を含む)開架図書で,配置場所を示す請求記号を明記しています。

庭崎 隆 先生 (数理科学科) 坂口 茂 先生 (数理科学科) 山本 哲朗 先生 (数理科学科)
石川 保志 先生 (数理科学科)
飯田 晋司 先生 (物質理学科) 松岡 千博 先生 (物質理学科) 長岡 伸一 先生 (物質理学科)
小西 健介 先生 (物質理学科) 小原 敬士 先生 (物質理学科) 浅田 洋 先生 (物質理学科)
北村 揚一 先生 (物質理学科)
井上 雅裕 先生 (生物地球圏科学) 堀 利栄 先生 (生物地球圏科学科) 井上 幹生 先生 (生物地球圏科学)
川嵜 智佑 先生 (生物地球圏科学) 日原 冬生 先生 (生物地球圏科学)
金本 自由生 先生(附属臨海)

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  庭崎  隆  先生 (数理科学科)

 *1) 行列特論  (基礎数学選書21)
       草葉公邦著   
       裳華房  1979 
       請求記号  410.8/K4   

  行列にまつわる三つの独立した話題(「メ-ビウスの反転公式」),「ガブリエルの定理-
グラフの表現論」,「アーノルドの定理-行列の連続的標準形」)を扱っている。
  メ-ビウスの反転公式とは整数上で定義された関数についての一種の手品であるが,第一章
ではこれを半順序集合・グラフ理論・初等整数論などと絡めて,大きなパズルを解くかのよう
に面白くていねいに解説している。
  この章にだけでも挑戦してみることをお勧めする。  


坂口 茂 先生 (数理科学科) *1) 若き数学者のアメリカ  (新潮文庫)    藤原正彦著  新潮社  1981 請求記号:410.4/H4(単行本,書庫)  この本には、ある数学者の1972年から75年にかけての米国留学体験が生き生きと 描かれています。20年以上も前の話ですが、米国の自由で乾いた雰囲気は今も変わら ないのではないでしょうか。私も助手時代に1990年から91年にかけてですが、初めて の海外生活でミネソタ大学に10か月間滞在したことがあり、この本にはその経験と重 なるところが多々あります。当時ミネソタ大学では、私が文献を通じてのみ知ってい た多くの研究者たちの講演を常時聴くことができましたが、私はほとんど圧倒されて ばかりで、しかも自分自身の研究にも行き詰まっていました。苦い経験の方が多かっ たのですが、この留学から得たものは計り知れません。この本は読み物として面白い ばかりでなく、留学等を志している人たちには、その精神的な面で何かの役にたつの ではないでしょうか。 2) K2に憑かれた男たち    本田靖春著   文芸春秋,1979  私は登山好きの一人としてこのK2登山の映画を見て感動したことがあって, 後にこの本に巡り合った。その頃,私は東京のある大学の大学院生で,ある社会人 山岳会に所属していて週末や連休にはよく山に出かけた。  この本には,1977年に世界第二の高峰K2に世界で第二番目の登頂に成功した極地法に よる日本のカラコルム大遠征の組織登山について,この参加者でも登山家でもない 著者の視点で,その組織構成,登山許可取得や資金集めの段階から登頂までに至る 登山家個人個人の人間模様が生き生きと描かれている。多くの隊員個人個人は結果 としてほんの一部の隊員の登頂のために組織の一つの歯車として働いていて,その 様子は高度成長期の会社員に対比されている。その後,ヒマラヤやカラコルムの登山 の方法は大遠征ではない少人数のアルペンスタイルによる無酸素短時間登山の時代を 迎えた。高度成長後の現在の日本社会も組織の歯車の一つとして埋没しない個人の 時代を迎えている。  著者の最後の文章を引用したい。「登山というのは,最終的に個人のスポーツでは ないのか。実社会の構成原理を遠征隊に移しかえて,それを八千メートルの高所に 運び上げたところで,今日的意義は認められない。門外漢の勝手な言い草とお叱りを 受けるかもしれないが,私が登山家に切に望むのは,俗界では見られない真に自由な 人間の魂の輝きであり,非妥協的な自己主張なのである。」  一数学者として私はこの文章において,「登山」を「数学」,「スポーツ」を「自然 科学」,「登山者」を「数学者」等に置き換えてみた。
山本 哲朗 先生 (数理科学科) *1) 食うものと食われるものの数学 山口昌哉著  筑摩書房 1985 請求記号:410.4/Y11/=2  本書は,一般の人々を対象として,「数学とは何か」について著者(京都大学名誉 教授・応用数学者)の考えを平易に述べたものである。内容は,第1部数学という考 え方および第2部食うものと食われるものの数学とから成るが,かた苦しい記述はな い。例えば第1部において托鉢僧であったアララギ派の歌人西谷得法の詩「せどの柿 の木に柿が十五なっていたげな。そこへ雀が八羽椋鳥が五羽飛んできたげな。それで みんなで二十八になったげな。どうじゃな仏法とはおよそこんなもんじゃな」を引用 し,「仏法」を「数学」でおきかえればまことによく数学の本質をいい表していると 主張する。また第2部において,生物間の相互作用に関するヴォルテラの理論を解説 し,その応用として,農薬の散布により一時的に害虫は減るが,同時に益虫の平均値 は減り結果として害虫の平均値が増加することを簡単は微分方程式を用いて導く。 読者はここに至って,数学が実際に世の中の「役に立つ」ことを知るであろう。 そして我々の住む地球の未来を想像して慄然とするであろう。 肩のこらない読物として,文系理系を問わずすべての学生諸君に推薦する。 *2) 日本国の研究 猪瀬直樹著  文芸春秋  1997
石川 保志 先生 (数理科学科) *1) ゆとりを奪った「ゆとり教育」 西村和雄編 日本経済新聞社 2001 請求記号:370.4/NI  いわゆる「ゆとり教育」がどのように学力低下に結びついているかについて,この問題 のエキスパートによって説得的に書かれている。教職員,学生ともこの問題を直視すべきである。
飯田 晋司 先生 (物質理学科) *1) 物理学のすすめ (科学選書 6) A.J. レゲット著 高木 伸訳 紀伊国屋書店 1990 請求番号 420/LE 本書は原題を the problems of physicsといい,物理学の歴史を簡単にまとめた(1章) 後, 現代物理の4つの領域:素粒子(2章),宇宙(3章),物性(4章),量子力学その他の 「基礎かかわる問題」(5章)における (1986年時点での)現況と主要な問題を紹介している。 物理学の概観を試みるこういった本は多くが素粒子物理的立場から書かれているが,本書では 物性物理の観点が強調されている(4,5章)ので類書と読み比べるのも面白いだろう。 *2) クォ-ク:素粒子物理の最前線 (ブルーバックス ; B-480) 南部 陽一郎著 講談社 1981 (第2開架室に配架) *3) 神は老獪にして… : アインシュタインの人と学問 アブラハム・パイス著 金子務〔ほか〕訳 産業図書 1987 請求記号 421.2/PA
松岡 千博 先生 (物質理学科) *1) 液晶 (化学one point) 岩柳茂夫著  共立出版 1984  請求記号:428.3/IW  初めから応用を主眼として書かれる液晶の本が多い中で,珍しく基礎的なところから解説して いる本である。(化学One Point) というシリーズの中に入っているのでまぎらわしいが,著者は 理学部物理学科出身の物理屋で,内容も熱力学,統計物理学の手法を用いた物理学の本となっている。 液晶はその名の通り液体(流体)と結晶の両方の性質を示す物質で,人工的に合成する以外にも, 生体組織中など自然界に幅広く存在している。コンパクトな本であるが,本書を読み終えると液晶の 基礎的知識はすべて得られるようになっている。
長岡 伸一 先生 (物質理学科) *1) 大志の系譜 : 一高と札幌農学校     馬場宏明著     北泉社  1998     請求記号:377.3/BA  同時代に存在した一高と札幌農学校が深い交流をしていることを膨大な資料に基づい て綿密な論証がされている。内村鑑三や新渡戸稲造の大志と新しい学校教育を開拓して いこうとする努力には深い感銘を覚える。 *2) 仏教の源流 : その知と信     山崎勇夫著     里文出版  2002     請求記号:181.02/YA  生命科学の研究者が釈迦が直接語った言葉として伝えられる最古の経典「スッタ二パー タ」を読み解いて、宗教と科学の接点を探っている。宗教と科学の関わりを見つめ直し、 神の領域での科学を考え、本当の自己を見つけるのに最適の本である。 頭に戻る
小西 健介 先生 (物質理学科) *1) トンデモ本の世界 : MONDO TONDEMO     と学会編  洋泉社 1995 請求記号:019/TO  いわゆる"トンデモ本"を紹介しその変な部分を指摘し解説している本です。 あとがきにはこう記されています。「科学的間違いをを笑うためには、科学知識が 必要だ。...(中略)... トンデモ本を読んで笑えるかどうか --- それがあなたの知識 と常識の深さを計るバロメーターなのだ。」トンデモ本を読んで反面教師にするもよし、 笑い飛ばすもいいでしょう。ただし、著者らはこういった"トンデモ本"を排斥している 訳ではないことに注意して欲しいと思います。 P.S. 昨年の図書館だよりのこのコー ナーで紹介されていた本の中に、"トンデモ本"の著者としてとりあげられていた人の本 があったのには驚きました。 *2) トンデモ本の逆襲 と学会編  洋泉社 1996 請求記号:019/TO *3) トンデモ超常現象99の真相 と学会著  洋泉社  1997 請求記号:147/TO *4) と学会白書 1     と学会著   イーハトーヴ出版 1997 請求記号:049/TO *5) トンデモ世紀末の大暴露   と学会著   イーハトーヴ出版 1998 請求記号:049/TO
小原 敬士 先生 (物質理学科) *1) さまよえる大陸と海の系譜 : これからの地球観     T.H.V.アンデル著 卯田強訳     築地書館 1987 請求記号:456/A2    地球の歴史に関する地球科学の教科書であるが読み物として十分楽しめる。 地球のプレート・海洋・気象のダイナミクスと生命の相互のつながりについて、 論理的にわかりやすく記述するという困難な課題を見事にクリアーしている。 地球がどのような変化を体験し現在に至ったのかを正しく知り、生命と地球の関わり について考え直してみよう。過去の地球で起こった環境の変化と現在の環境問題を 比較してみるのもおもしろいだろう。
浅田 洋 先生 (物質理学科) *1) EQこころの知能指数 ダニエル・ゴールマン著 土屋 京子訳 講談社 1996 請求記号:141.6/GO EQ(Emotional intelligence)とは「こころの知能指数」。いわゆる知能指数IQが純粋に 理性的な知能の尺度であるのに対し,EQとはこころの知性で,自分自身の感情を制御し,他人 の気持ちを感じとり,集団の中で調和をとり協力しあう能力である。 今日,社会はIQの高い人材よりも優れたEQをもつ人材を求めるようになってきている。 著者は,職場や学校,家庭における人間関係のトラブルのさまざまな具体例を紹介しながら, EQの重要性を分かりやすく印象的に説いている。 こころのもち方,人としてのあり方,人間関係のもち方について数多くの貴重な示唆を与えてくれる。
北村 揚一 先生 (物質理学科) *1)楽しい鉱物図鑑    堀秀道著  草思社 1993    請求記号:459/HO *2) 楽しい鉱物図鑑 2    堀秀道著  草思社 1997 請求記号:459/HO/2  楽しい。美しい。価格も手頃。鉱物の実例を見ることが出来る。 解説が詳しく繙く度に新しい知識が得られる。 本棚に置いて嵩張らない,飾りになる。
井上 雅裕 先生 (生物地球圏科学) *1) 花を咲かせるものは何か : 花成ホルモンを求めて    (中公新書) 瀧本敦著  中央公論社  1998 請求記号:471.3/TA  思った植物に自由に花や実をつけさせるのは植物生理学だけでなく人類の夢のひとつ である。本書はその夢を科学者の立場から約40年間も追いつづけてきた著者が描いた、 研究史であり自叙伝でありかつ啓蒙書でもある。これまで解明された事実、研究の流れが わかりやすくまとめてあるだけでなく、研究というものの魅力、人がいかに発想力豊かで かつ辛抱強いかといったことについての内容も隠し味的に随所にちりばめられており、 著者の文章力の豊かさも手伝って、とっても元気の出る本でした。ただ、夢は夢のままで いいか、さめるものなのか、実現すべきものなのか、読後感は読者の個性によって全く違 ったものになるかもしれません。これもたのしみのひとつです。夏休みにゆかたを着てこ の本を片手にアサガオの花をながめてみてはいかがでしょう。 *2) モヤシはどこまで育つのか : 新植物学入門    (中公新書) 増田芳雄著 中央公論社 1990     請求記号:471/MA (松高同窓会文庫)
堀 利栄 先生 (生物地球圏科学科) *1) 宇宙150億年の旅 (ファラデーブックス) 広瀬立成著 日本評論社 1995 請求記号:440.4/HI 一般教養むけの授業を担当すると,惑星科学や地球科学一般に関して面白く,わかりやすく 書かれている本がないかといつも悩みます。そのときにみつけたのがこの本です。イラストも楽 しく,理科系の本はちょっと苦手という人もすんなり読める内容になっています。 *2) ワンダフル・ライフ : バージェス頁岩と生物進化の物語 スティーブン・ジェイ・グールド著 渡辺政隆訳 早川書房 1993 請求記号 457.8/GO *3) 地震・プレート・陸と海 :地学入門 (岩波ジュニア新書) 深尾 良夫著 岩波書店 1985 請求記号:453/HU *4) 学校・学歴・人生 (岩波ジュニア新書) 森嶋 通夫著 岩波書店 1985 請求番号 370.4/MO
井上 幹生 先生 (生物地球圏科学) *1) イリュージョン:退屈している救世主の冒険 リチャードバック著 村上龍訳 集英社 1977 請求記号:A933/BA 1日24時間,時間だけは全ての人間が平等に授かっている。しかし,日々の時間の使い方は, 実際には自分自身以外の何ものかによって決められてしまうことが多い。例えば,多くの子ども や大人は,それぞれ学校や会社の時間割に従って時間を消化しているのだ。読者は,恐るべき 事実に気付き,自己に忠実な生き方を模索し始めるかもしれない。
川嵜 智佑 先生 (生物地球圏科学) 30年前を振り返って,青春真っ盛りの学生諸君に読ませたい本。青春!。 *1) チボー家の人々    ロジェ・マルタン・デュ・ガール著 山内義雄訳    白水社 1954 請求記号:953/MA/1-13(白水Uブックス, 1983-1984)  2) ミニヨンの歌 : 父母の肖像    [内山美根ほか著]- 内山南雄 1996 *3) ジャン・クリストフ  改版(岩波文庫)     ロマン・ロ-ラン作 豊島与志雄訳     岩波書店 1966 請求記号:080.5/I1/40 4) 山椒魚戦争 (岩波文庫)     カレル・チャペック作  栗栖継訳     岩波書店  1978 *5) 動物農場 (角川文庫)     ジョージ・オーウェル著 高畠文夫訳     角川書店 1991 請求記号:E933/OR *6) 1984年  (Hayakawa Novels)    ジョージ・オーウェル著 新庄哲夫訳     早川書房 1975 請求記号:E933/OR *7) 兵士シュヴェイクの冒険  (岩波文庫)  ハシェク著 栗栖継訳  筑摩書房 1972-1974 請求記号:080.5/I1/90(1-4) *8) 史記列伝 (岩波文庫) 司馬遷〔著〕 小川環樹, 今鷹真, 福島吉彦訳 岩波書店 1975 請求記号:080.2/I1/108
日原 冬生 先生 (生物地球圏科学) *1) 『反社会学講座』 パオロ・マッツアリーノ著 イーストプレス 2004 請求記号:361/MA 現在の日本社会のさまざまな社会現象がマスコミによって報道される。 報道は事実を伝えるだけでなく,一定の解釈や説明がなされるのが普通である。 それらの報道によって我々の「常識的な知識」が蓄積される。 著者は,紋切り型の常識に疑問をもって『反常識の知』をもつことを奨めている。 題材はフリ-タ-の問題,学力低下の問題,少子化論争など身近なものを取り上 げている。気楽に読んで楽しめる本である。
金本 自由生 先生(附属臨海実験所) *1) 海辺の扉 (宮本輝全集)     宮本輝著  新潮社 1992     請求記号:918.68/MI/11  私は海洋生物学を専攻している関係で,どうしても題名に海と名の付く本は反射的に 手にとってしまう.「海辺の扉」もそんな一冊であったが,「諏訪湖の湖面は波立たず...」 というすべり出しに,ドライブの途中に諏訪湖のほとりでひと休みしたことを思い出し,即座に 購入した.後は読んで戴ければ分かる通り,一気にギリシャに連れて行かれ,地中海をクルーズ し,著者の並外れた想像力による情景描写と心理描写に引き込まれてしまった.これから社会人 になろうという人には,読んでおいてじゃまにはならない一冊である.ほかに,ちょっと古いが 夏の海辺でひもとく文庫本を数冊下記に記しておいた.(*先生紹介図書は角川文庫版です。)   *2) 海辺の生物 (カラー自然ガイド)    西村三郎/山本虎夫共著  保育社 1974     請求記号:468.8/NI *3) 海からの贈物 (新潮文庫)     リンドバーグ夫人[著]  吉田健一訳     新潮社 1993     請求記号:A934/LI 4) 海べの動物 (カラーブックス) 鈴木克美著  保育社  1969  5) 海の下の大陸 : 地球を語る沈黙の世界    (ブルーバックス)     F.P.シェパード著 氏家宏訳 講談社 1968  6) 深海探検記 : 珍奇な魚と生物     (現代教養文庫)     ウィリアム・ビービ著 日下実男訳     社会思想社  1970
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